当サイトでは、過去にも万年筆に最適なメモ帳としてオススメしているコクヨの「測量野帳」。
元々、建設現場で働く測量士向けに開発されたメモ帳で、ポケットサイズでワークジャケットにもおさまりが良く、ハードカバーのため立っていても筆記でき、ペンの滑りもいいという代物で、多くのファンを抱えています。
そんな測量野帳には、ノートの美観を保つためのカバーが販売されています。
その中でも最もポピュラーなのは透明なビニール製のクリアカバーです。
しかし、そもそも測量野帳にクリアカバーは必要なのでしょうか?
今回は実際に測量野帳の透明カバーを使用している使用感レビューしつつ、考察していきたいと思います。
測量野帳のクリアカバーとは?
まずは、測量野帳のクリアカバーについて簡単に説明していきます。
測量野帳のクリアカバーとは、測量野帳の薄さ、軽さを損なわずに表紙を保護するシンプルな透明カバーです。
コクヨが出している公式の透明カバーや、さらに機能面を高めたカウネットの「ヤチョーカバー」などがメジャーです。
公式の透明カバーでも、内側の折り返し部分は、カードや名刺をはさめるような設計になっており、収納力拡張にも一役買うアイテムです。
測量野帳のクリアカバーのメリット
まずは、測量野帳に透明カバーを付けることのメリットから見ていきましょう。
測量野帳本体を汚れから防げる
カバーを付ける特徴として最初に挙げなければいけないのは汚れ防止です。
測量野帳はその名の通り、建築現場の測量士のために作られたノートで、いつでもどこでも書けることを売りにしているノートですから、利用者によっては屋外の埃っぽい環境で使用する方も多いでしょう。
そのようなハードな環境ではほこりや油による汚れがついてしまう場合があると思います。
ノートは一日で使い切るようなものではありませんから、汚れのついた状態で使い続けるのは気が引ける。
そういう方には安くて防汚力が高いビニールカバーはお勧めです。
水濡れに強くなる
汚れとともにノートの大敵は水です。
雨など天候不順に伴う水濡れや、カバンや衣服の湿気はノートの耐久性を著しく下げる要因になり得ます。
特に測量野帳の特徴の一つである立っていても書けるハードカバーは、プラスチックではなく厚紙で作られているため、水にぬれてそのままにしてしまうと強度が落ちてしまいます。
梅雨や雨の多い日でも外出する用事が多いかたは、雨濡れ予防としてカバーを買うのは良いと思います。
メモやレシート、付箋などの小さい紙が挟める収納力
カバーを付けることの裏のメリットは、収納力が上がることです。
カバーと本体のちょっとした隙間にレシートやメモなどを挟んで保管することが出来るようになります。
ビニールカバーにもいくつか種類があり、カウネットのヤチョーカバーなど中にはメモ用のスペースがあるものもあるため、メモにも収納力を求めるならそういった商品を選びましょう。
また、シールやマスキングテープなどを貼って測量野帳をカスタムして使用する場合、せっかく作ったカスタムがノートの終了とともにお役御免になるのが忍びないということもあるでしょう。
そういう場合には、カバーに対してデコレーションすることで本体を変えてもデコレーションはそのままということが出来るようになります。
測量野帳のビニールカバーのデメリット
次にデメリットを考えてみます。
ビニールカバー自体が劣化しやすい
ビニールカバーの最大の欠点は劣化することです。
カバンやポケットに入れて使用する場合、購入当初の美しい透明度を保てるのはせいぜい一か月といったところでしょう。
日常に使用する際の擦り傷や圧迫による角つぶれ、日光等や水濡れなどによる素材の劣化など、それら複合的な理由での劣化は避けることが出来ません。
ノートをきれいに使うために買ったはずのカバーによって、かえって汚く見えてしまうことがあるのです。
もちろんカバーがある分、中身のノートはきれいに使うことが出来ます。
使用済みのノートをコレクションする人には良いと思いますが、特に保存を考えない方にとってはメリットは薄いと思います。
ポケットへの収まりが微妙に悪くなる
当然のことではありますが、カバーを付ける分だけ測量野帳はサイズアップしてしまいます。
そもそも測量野帳の特徴はポケットへのおさまりの良さにもあるわけですから、その特徴を殺してしかねないわけです。
もちろん、サイズアップと言っても多少ですので、幅広のポケットであれば余裕で入るでしょう。
しかし、小さめのジャケットなどでは入らなくなってしまう可能性があると思います。
取り付け、取り外しが意外に難しい
また、これは測量野帳ならではの問題だと思いますが、カバーの取り付け、取り外しが結構難しいです。
その理由はまさに測量野帳の特徴である「立っていても書けるハードカバー」にあります。
測量野帳のビニールカバーは、測量野帳の携帯性を損なわないよう、ぴったり測量野帳に合うように設計されています。要するに「遊び」が無いわけです。
通常の柔らかいノートを取り付けるなら、表紙を折り曲げて差し込むことが出来ますが、測量野帳はハードカバーになっているため、折り曲げることが出来ません。
そのカバーを測量野帳に取り付けるためには、一度測量野帳を200度以上大きく開いて、カバーに収める必要があります。
測量野帳を傷めないために購入したカバーを取り付けるために、測量野帳に腕ひしぎ逆十字をかけるような格好になってしまうのです。
普通に使う分にはカバーは不要。保存するならカバーを買いましょう
当サイトの結論としては、原則、「測量野帳にビニールカバーは不要」とさせていただきたいと思います。
そもそも、測量野帳は緑色のカバーが美しいノートです。
それをビニールカバーをすることでかえって汚らしく見えてしまうところがあるのです。
それは、ビニールの宿命である劣化のしやすさによるもので、ノートの劣化以上にビニールの劣化が激しく、透明ビニールカバー自体の商品寿命はかなり短いと言えます。
測量野帳を使うような「ノートガチ勢」の方は、日々のメモ量もかなり多いと思われるため、ノートも相当な早さで使い切ると思われます。
頻繁にノートを使い切るということは、汚らしくなる前に次のノートに移行するということであって、わざわざカバーを使用してまでノート本体の劣化を防ぐ必要はないと思われます。
ただし、ただ日常的に使うだけではなく、日記や旅行記録などとして保存を前提とするのであれば、カバーをかける価値は十分にあると思います。