仕事に腕時計は欠かせませんよね。
一般的には機械式時計やアナログクオーツなどがビジネス向けとされていますが、私はあえてデジタルウォッチをビジネスに活用するのはアリだと思っています。
そんな中でも最も気に入っているのが、カシオ『カリキュレーター』です。
今回は、カシオ『カリキュレーター』の歴史と特徴を紐解きつつ、見た目の似ているデータバンクとの違いを解説し、その愛すべきポイントをご紹介していきます。
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カシオ『カリキュレーター』とは?
カシオ『カリキュレーター』とは、カシオが得意とするマルチファンクションウォッチの中でも一際異彩を放つ一本です。
カリキュレーターは日本語に訳すと「電卓」。
つまり、読んで字のごとく電卓機能を実装した腕時計が『カリキュレーター』なのです。
電卓つき腕時計の歴史
電卓を搭載した腕時計としては、1975年にアメリカのパルサーやヒューレットパッカードが最初に発売していますが、それらはテンキーが指で操作するのではなく細いペン先で操作することを想定してデザインされていたため、非常に使いづらく実用性が低かったため、市場ではあまり受け入れられませんでした。
その後、カシオが『カリキュレーター』をリリースしたのは1980年。
パルサーやヒューレットパッカードのインターフェイス上の失敗から学び、指でテンキーを操作できる画期的なデザインを採用したことで熱狂的に受け入れられ、電卓付き腕時計として初めての量産化された商品となりました。
ちなみに、カシオ『データバンク』が発売されるのは、『カリキュレーター』リリースの4年後の1984年。
データバンクの文字盤設計や基盤実装には、カリキュレーターで培われた量産技術が大いに活用されました。
つまり、データバンクの誕生はカリキュレーターの成功によるものであると言えるのです。
映画『バックトゥザフューチャー』に登場した時計はデータバンクではない
ちなみに、カリキュレーターが熱狂的なファンを獲得した要因の一つに、超人気映画での登場があります。
映画史上に残る超名作映画『バックトゥザフューチャー』にてマイケル・J・フォックス演じる主人公マーティが愛用している時計がカシオ『カリキュレーター(CA-50)』なのです。
『バックトゥザフューチャー』が公開されたのは1985年なので、まさにカリキュレーターがその未来的な見た目で世界的な人気を獲得していた時期です。
当時のハイテクノロジーの象徴である『カリキュレーター』を、卓上電卓がようやく普及し始めた過去の時代で使うというところにタイムスリップを題材とした映画の面白さが表現されていて、大切なキーアイテムとなっていました。
映画で登場したモデルと全く同じモデルCA-50はすでに生産終了していますが、ほとんど同じ形と機能を持つ後継モデルCA-53wは現在でも生産が続けられており、映画の人気とともに熱狂的なファンが未だに存在します。実は私もその一人です。
カリキュレーターとデータバンクの違いとは?
さて、見た目的には姉妹的なデザインとなっている『カリキュレーター』と『データバンク』ですが、その違いを見ていきましょう。
カリキュレーターとデータバンクの機能の違い
カリキュレーターとデータバンクは姉妹的な時計だというのは上で解説しましたが、機能的にも共通する部分が多くなっています。
機能一覧 | カリキュレーター | データバンク |
---|---|---|
電卓 | 〇 | 〇 |
電話帳 | × | 〇 |
スケジューラー | × | 〇 |
ストップウォッチ | 〇 | 〇 |
アラーム | 〇 | 〇 |
デュアルタイム | 〇 | 〇 |
防水機能 | 〇 | × |
バックライト | × | 〇 |
まずは、メインの機能となる電卓機能はどちらにも共通して搭載されています。もちろん、2ボタン式のデータバンクには電卓機能はありませんので、テンキー式のデータバンクにのみ搭載された機能となります。
一方、電話帳機能、スケジューラー機能はカリキュレーターには搭載されていません。
その他、ストップウォッチ、アラーム、デュアルタイムなどのマルチファンクション機能は共通です。
また、カリキュレーターはほとんどが防水ですが、データバンクは非防水が多くなっています。一方、バックライト機能はカリキュレーターには非搭載となっています。
カリキュレーターとデータバンクの見た目の違い
カリキュレーターとデータバンクは姉妹商品ということもあり、テンキーの配置などはほとんど同じです。
使っている液晶のサイズもほぼ同じものが使いまわされているため、基本パーツはほとんど同じだと考えて問題ありません。
よく見ると、カリキュレーターには「WR」というロゴが入っていますが、これは「Water Resist(防水)」の略となります。
黒地のプラスチックに黄色のロゴが良いアクセントになっていますね。
カリキュレーターとデータバンクの値段の違い
カリキュレーターとデータバンクを比べると、カリキュレーターの方が数千円近く安く売られています。
さてここで、80年代に制作されたカシオアメリカのパンフレット画像をご覧いただきましょう。
このパンフレットを見てお分かりいただけるように、カリキュレーターはカシオのラインナップの中では「チープカシオ」のカテゴリに入ることがお分かりいただけると思います。
つまり、カリキュレーターは、5000円以下で手に入れることができる高性能ウォッチ「チープカシオ」の一種として数えられる腕時計なのです。
物語性のある腕時計『カリキュレーター』を身にまとう
レトロな見た目と確かな高機能。
そして、映画での登場や後の高機能時計に影響を及ぼしているなどのストーリー性。
手に入れやすい価格と、愛すべき要素がたっぷり詰まった腕時計。
それが、カシオ「カリキュレーター」なのです。
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