皆さんは時計は使っていますか?
スマホが普及したことで時計なんかしないという方も多いかもしれませんが、ビジネスの現場で袖口からチラリと時計が覗く様子は非常にダンディで、出来る男を演出してくれます。
時計は上を見れば限りなく、「雲上」と呼ばれるメーカーになるとサラリーマンの年収のような金額の時計も珍しくありませんが、そこまでお金を使わずとも、見た目や機能に優れた逸品は存在します。
今回は、機械式時計なのに驚異の安さで人気を博す「セイコー5」を、革ベルトだけで高級に見せる方法をご紹介します。
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セイコー5とは?
セイコー5とは、1963年にセイコーから発売された機械式時計のブランドです。
電池を使用せず、日常生活の腕の振りによるゼンマイの巻き上げを動力とする「自動巻き機械式時計」となっており、メカ好きにとってはたまらない仕様になっています。
当初は日本中で大流行したセイコー5でしたが、1969年にセイコーが世界で初めてクオーツ式時計を発明しリリースしたことで、クオーツが時計業界を席捲。
圧倒的な精度と安さを両立したクオーツの世界的な大流行に押されて、古臭くメンテナンスが面倒な機械式時計は敬遠され売れない時代が続くことになります。
その結果、セイコー5の国内での販売は終了し、主に海外での販売が中心となってしまいました。
海外では、途上国を中心にボタン電池の入手が難しい国が多いことから、クオーツより機械式時計の人気が高い傾向にあり、安価かつ丈夫でメンテ不要なセイコー5は中東やアジア、東欧などの途上国市場で大いに受け入れられ人気を博していきました。
そのような経緯もあり、日本国内で流通しているセイコー5のほとんどは海外流通品の「逆輸入」となるのです。
セイコー5の「5」の意味とは
セイコー5の「5」とは、セイコー5に搭載された以下の機能を表しています。
- ダイヤフレックス(切れないゼンマイ)
- ダイヤショック(セイコー独自の耐震装置)
- 自動巻き機構
- 10気圧防水機能(生活防水機能)
- デイデイト表示
これらの特徴の中でも、特に優れているのはセイコー独自の「マジックレバー方式」を採用した自動巻き機構です。
それまでの自動巻き時計は、振り子の揺れに対して、片方の方向に振れたときしかゼンマイの巻き上げが出来ませんでした。
それをセイコー5のムーブメント「7S26」は、「マジックレバー」と呼ばれるV字に分かれたセイコー独自のパーツが、振り子の揺れに合わせてカチカチと引っかかったり外れたりを繰り返すことで、歯車を引っ張って巻く動きと、押して巻く動きを交互に発生させ、左右両方向での巻き上げを可能にしたのです。
それにより、従来の自動巻き時計を遥かに上回る巻き上げ性能を発揮することに成功しました。
また、7S26は自動巻き式時計としては、パーツ数も少なく、統一された規格で製造されているため、圧倒的にメンテナンス性が高いというメリットもあります。
製造開始からほぼパーツの形状を変えずに作られており、製造現場の熟練度も上がっていることから、世界的に見ても信頼性の高い機械式ムーブメントと言われています。
セイコー5の基本形状
セイコー5は、基本的に3針(時針、分針、秒針)のシンプルデザインです。
ケースや文字盤は、形状違いや色違いなどそのバリエーションは100種類以上に及び、防水性を持たせたスポーツモデルや、文字盤やベルトに高級感をプラスした「スーペリア」と呼ばれるラグジュアリーモデルも存在します。
そして、もう一つのデザイン上の大きな特徴は、竜頭が横ではなく4時の位置についていることです。
これは着用時に竜頭が手の甲に当たって痛くなることを防止するための配置で、竜頭が大きくなりやすいダイバーズウォッチなどで採用される配置ですが、それを38mmの小さめの時計に採用しているところがセイコー5の独特な見た目を作っています。
セイコー5を革ベルトに替えるメリットとは
時計用革ベルトを使うメリットとして、以下の3つを上げたいと思います。
- 高級感を演出できる
- 愛着が湧く
- 飽きがこない
まず、高級感について。
パテックフィリップやジャガールクルトなど、「雲上」と呼ばれる高級時計ブランドの最高級モデルは革ベルトを採用しているケースが多いです。それは、最高級時計が活躍するような場面、例えば社交界やパーティの場など、いわゆるフォーマルな舞台のファッションと革ベルトの相性が最高だからだと言われています。
つまり、時計の高級感は「金属ベルト<革ベルト」という評価なのです。
また、フォーマルな場では、文字盤も含めて時計はシンプルであるほど良いと言われています。その点においても、セイコー5が持つシンプルな3針と革ベルトはフォーマル向けとしてベストな取り合わせだと言えます。
そして、愛着と飽きがこないという点については、買ってそのままではなく、「自分でアレンジをしてカスタムした」という事実が所有者に愛着を抱かせます。
また、もし最初のアレンジに飽きたり、もう少し遊んでみたくなったらベルトを交換すれば良いので、カスタムし続けることで一生遊べるアイテムになるのです。
セイコー5の革ベルトカスタム例のご紹介(私物)
さて、お待たせいたしました。
以下では実際に私が所有しているセイコー5をベースに、革ベルトで着せ替えをしたアレンジ例をお見せしていきます。
セイコー5シルバー文字盤+黒革ベルト
私が最も気に入っている組み合わせです。
白に近い銀文字盤のセイコー5は「made in japan」の刻印が入った「SNKK65J1」で、中東向けに発売された日本製セイコー5の中でも最も人気高いの個体の一つです。
型押しをしていないスムースレザーにアクセントの白ステッチという取り合わせのフォーマルとカジュアルのバランスが絶妙です。
ベルトは伊モレラート社の「ウォーホル」(廃盤)を使用しています。
イタリア製のベルトなのでやや値は張りましたが、革の手触り、厚み、丁寧なコバ処理などあらゆる面で安物には無い質感を生み出しています。
セイコー5 ブラック文字盤+ダークブラウン革ベルト
ブラック文字盤は最もベーシックで合わせやすいカラーですが、今回はあえて茶色の革をチョイスしました。
茶色の革はフォーマルな印象を強調するにはもってこいのカラーです。
今回使用しているセイコー5「SNK135K1」は黒文字盤といえど、ややグレーに近い文字盤であるため、ただの黒よりも渋い色味の組み合わせとなります。
ちなみに、こちらの 「SNK135K1」 は当時3,500円で購入した奇跡の一本です(今買ったら1万円越え確実)
こちらのベルトも伊モレラート社の「ピサーロ」(廃版)です。
マットな表面加工が施されたダークブラウン型押しカーフは独特の柔らかさと色の深みがあります。
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セイコー5 ブルー文字盤+ブルー革ベルト
カジュアルな青文字盤に青革を合わせることでビジネス感をプラスした一本です。
時計は青文字盤と放射模様が美しい「SNKE51」。私は日本製の「J1」モデルを購入しました。
革ベルトは同じくモレラートの「サッカー」で、スポーツモデルと銘打ったモデルです。
裏地が革ではなく、撥水ナイロンになっており汗の吸収による革の痛みを防いでくれます。また、レザーの表面にもラバーによる撥水加工が施されており、多少の水には負けない仕様です。
通常より厚めの革を使用することで高級感をより際立たせています。
セイコー5 ホワイト文字盤+ブラック革ベルト
ホワイト文字盤+ブラック革の組み合わせです。
「SNK661K1」は60年代を感じさせる、クッションケースがレトロ感満点な一本。
ただでさえレトロな時計に、レザーベルトを合わせることで絶妙な枯れ感を演出しています。
夏場の熱い時期には金属メッシュにして使うなど、季節に合わせた着せ替えも楽しめるのもセイコー5の魅力です。
ベルトは松重商店の「松重オリジナル」という厚手がウリの革ベルトです。
セイコー5 シルバー文字盤+黒革
静観な顔立ちが際立つシルバー黒のコンビネーション。
最初のシルバー×ブラックとは違い、カーフ型押しのベーシックなスタイルです。
使用しているレザーベルトは「ザ・スタック」という京都の新鋭時計メーカーのレザーベルトです。
本来は「ザ・スタック」の時計向けに開発されたベルトですが、一見して分かる革の質の良さに惚れ、革ベルトだけを購入して愛用のセイコー5に装着しています。
セイコー5で着せ替えの楽しさを堪能しましょう
いかがでしたでしょうか?
携帯電話が広がり、時間を知る機能としての時計の意義が薄れていく中、ファッションアイテムとしての時計を見直すきっかけとして、セイコー5の革ベルト着せ替えに挑戦してみてはいかがでしょうか?
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