最近、チープカシオが再評価されています。
気取らず、付け心地が良く、機能に無駄がなく洗練されていながら、めちゃくちゃ安いという特徴がスマホ文化で時計にお金を使わない若者にウケ、手ごろなブレスレッド感覚で付けている人が増えているようです。
そんなチープカシオですが、仕事で使用するには「バカにされるんじゃないか?」とか「スーツには合わないんじゃないか」と思われる方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、チープカシオを仕事に使っても大丈夫なのか?スーツにも合うのかを考察していきたいと思います。
チープカシオ(通称チプカシ)とは?
G-SHOCKや電卓、電子ピアノなどで有名なカシオは、正式な会社名をカシオ計算機と言います。
その名の通り、計算機の製造販売で名をあげ、日本を代表するものづくり企業になりました。
その計算機製造で培った、電子回路製造技術と液晶技術を使って生み出されたのがデジタル腕時計であり、「チープカシオ」と呼ばれる腕時計です。
チープカシオのデザインの基本はデジタルウォッチですが、アナログクオーツのモデルも存在します。その多くは5000円を切る低価格で、中には実勢価格で1000円を切る価格のものも存在します。
チープカシオが「チープ」と呼ばれる理由は、その安さと作りの「チープさ」です。
高級時計がチタンやステンレスの削り出しケースとベルトは本革を使用する中、チープカシオはプラスチック、ウレタンをメインの素材として使用しており、手に持った時の軽さやプラスチックの質感が「チープ」と呼ばれる所以になっています。
仕事に使える腕時計の特徴
さて、では次に仕事用の腕時計に求められるスペックを考えていきましょう。
スーツの袖口を邪魔しない「薄さ」
ドレスウォッチと呼ばれる、高級時計はどれも共通して薄いのが特徴となっています。
例えば、高級時計の代名詞パテックフィリップのカラトラバや、ゼニスのドレスラインウルトラシンなどは、非常に薄く作られており、スーツの袖口にしっかりと隠れることができる薄さで設計されています。
時計が袖から飛び出ているような状態はかっこいいとは言えません。
スーツの印象を損なわない「地味さ」
スーツに時計を合わせるのであれば、大切になるのは「調和」です。
あまりにも時計が主張しすぎるような、「主役が時計」のコーディネイトは品がありません。
また、あまりにも派手過ぎる時計は、成金的な印象を与えてしまい高級な時計だったとしても下品にみられてしまうこともあります。
スーツやバックなどの小物も含めた全体の調和を乱さないシンプルさも大事です。
仕事で使える「時間の見易さ」
仕事で使うということを考えると、時間が見やすいというのは必須要件です。
シンプルな三針タイプが一番の定番ですが、時間の把握しやすさという点ではデジタル時計も負けてはいません。
多機能であることよりも、時刻がわかりやすいことを重視した時計選びをしましょう。
チープカシオとスーツの相性は?
さて、スーツに合う時計の条件も確認できたところで、チープカシオとスーツの相性を考えていきましょう。
➀の条件として挙げた「薄さ」という意味ではチープカシオは間違いなく◎です。
基本的にクオーツ時計は機械式時計に比べて薄く作ることができますし、ベゼルに余計な飾りが少ないモデルが多いため重さにおいてもほとんど感じません。
②の条件の「地味さ」については、購入するモデルによるということで△かと思います。
近年若い肩中心に人気のある三針のチープカシオは非常にシンプルですが、デジタル時計のモデルについては、様々な装飾が施されている場合があります。それが好きという人もいるのですが、「ダサい」という評価をする人も多いです。
例えば、かのウサマ・ビンラディンが使用し、タリバンで時限式爆弾のタイマーに最も使用されていたという逸話のある「F91-W」は、デジタルウォッチとしては非常にシンプルで機能美すら感じるレベルなのですが、ベゼルに配された青のラインや文字が気に入らないという人が一定数いたりします。
基本的には好みの問題になりますが、極力装飾が少ないものを選ぶようにするとハズシは少ないと思います。
そして、③の条件「時間の見やすさ」。こちらはモデルにもよりますが、総じて〇をあげられるでしょう。
チープカシオは時計としては、非常にシンプルなので基本的には見やすさはバッチリです。
しかし、デザインを重視して反転液晶のモデルを選ぶと、通常のチープカシオに比べると見づらかったりするので気を付けましょう。
チープカシオは仕事に使っても大丈夫?
まず、結論から言いましょう。
チープカシオは仕事に使っても大丈夫です。
私も経営コンサルタントとして様々な会社に出入りしていますが、チープカシオを使用することがあります。
そもそもチープカシオは、今でこそ安物時計というイメージですが、世の中にデジタル時計が登場した際には最新ガジェットとしてむしろビジネスマンに使用されていたのです。
チープカシオではありませんが、映画「007」シリーズでもセイコーのデジタルウォッチがスパイガジェットとして使用されているなど、むしろデジタルウォッチを着用することがステータスであり、トレンディであった時代があったのです。
時を経て、スイスの高級時計が復興し、デジタル時計はダサいと言われることも増えてきましたが、シンプルで普遍的な機能美は本質的にはビジネスガジェットとして最適なはずです。
そういう道具としての本質が分かっている男として、恥じることなくチープカシオを使っていきましょう。