先日、愛用しているパイロットキャップレス万年筆「絣」がインク切れを起こしました。
当然、インクを交換をしないといけないのですが、せっかくなのでインクカートリッジ交換の様子を写真に収め、分かりやすく手順を解説していきたいと思います。
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キャップレス万年筆の構造
キャップレス万年筆とは、読んで字のごとくキャップがついてない万年筆です。
ボールペンのようにペンの後ろをクリックすることで、ペンの内部からペン先(ニブ)が露出します。
キャップが無い分、先端にインクの乾燥と漏れを防ぐシャッターがついており、それをペン先で押し開くことでペン先を露出する仕組みになっています。
ペン先をペンの内部に格納する構造上、ペン先は通常の万年筆より細く小さいため、インク交換時などの解体時にはパーツの破損に気を付ける必要があります。
キャップレス万年筆のカートリッジ交換手順
それでは、インクカートリッジを交換していきます。
今回使用するのは、ブルーのパイロット純正カートリッジインキを使用しました。
➀ペンの後ろ側を取り外す
キャップレス万年筆はペンの真ん中に継ぎ目があり、そこから後ろ半分を取り外すことで中のペンユニットを露出させることができます。
ここからペンの分解が始まります。
②慎重にペンユニットを取り外す
ペンの内部が露出しました。
銀色の保護カバーが付いたペンユニットが現れますので、これを取り外します。
ペンユニットは転がりやすいので、破損には気を付けましょう。
③インク保護キャップを取り外す
銀色のインク保護キャップを取り外すとカートリッジが露出します。
すっかり空っぽになっていますね。
④空のインクカートリッジを取り外す
空っぽのインクカートリッジを取り外します。
今回は完全に空っぽだったので簡単に取り外していますが、カートリッジにインクが残っている場合もありますので、ペン先を上にしてインクが万が一にもこぼれないように取り外すのが定石です。
⑤新品のインクカートリッジを取り付ける
ここまで分解したら、今度はカートリッジの取り付けと組み立てです。
分解とは逆の手順で取り付けていきます。
まずは、カートリッジの取り付けです。
カートリッジを取り付けるときは、以下の2点に気を付けましょう。
①ペン先を上に向ける、②カチッという手ごたえがあるまで奥まで差し込む
⑥インクカートリッジ保護キャップを装着
銀色の保護キャップを取り付けます。
この際、本体側の突起とキャップ側の突起の位置が合うようにしましょう。
⑦本体の溝に合うようにペンユニットを装着
組上がったペンユニットをペン本体に挿入します。
この際、本体のスクリュー部分にある溝とペンユニットの突起がぴったり合うように差し込みましょう。これを怠ると一発で故障します。
⑧ペンの後ろ側を取り付ける
最後にペンの後ろ側を取り付ければ完成です。
しばらくインクの浸透を待てば再び書けるようになります。
すぐにインクが出ないときの対処法
万年筆は、ペン先のインクが毛細管現象で紙の繊維に浸透していくことで文字を書いています。
インクがなかなか出ないということは、液体が紙に接触していないということです。
解決方法としては、ペン先を下にしてしばらく時間を置くという方法のほか、ティッシュなどの浸透性の高い紙をペン先に当ててしみ出すまで待つと素早くインクが出るようになります。
コンバーターでペン先からインクを吸い上げる場合に比べて、カートリッジはインクがペン先に浸透するのを待たなければいけない分、書けるようになるまで時間がかかってしまうというデメリットがあります。
そのようなメリットデメリットも考慮して、カートリッジかコンバーターかを選びましょう。
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