パックTシャツが好きで、様々なメーカーのパックTシャツを買ってはその着心地を比べています。
その中でも特に着心地が良く、異常なコスパを誇り、自分の中でのレジェンドパックTシャツが「レッドキャップ(RED KAP)」のポケット付きパックTシャツでした。
ポケット付きなのに、2枚3000円という安さと、6.7オンスという最高峰の厚さで、Tシャツ1枚でカッコいいスペックを持ったTシャツでした。
しかし、2018年ころから急に入手が難しくなり、今ではほとんど買うことができなくなってしまいました。
一体何があったのか、その事実を調べてみました。
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レッドキャップとは?
レッドキャップ(RED KAP)は、1923年にテネシー州ナッシュビルで創業したワークウェアブランドで、アメリカの労働者が良く着用しているオーバーオール(日本でいうツナギ)のメーカーとしてスターとしました。
その特徴である質実剛健で頑丈な作りが支持され、アメリカ国内で絶大な人気を誇っており、現在でも車メーカーの作業員が着る工場用のユニフォームとして、または、消防署などでの業務用衣類としてなど、多様なワークシーンで重宝されています。
日本でも愛用者は多く、上野アメ横のアメカジショップなどでは定番中の定番となっています。
特に、クラシックなスタイルのワークシャツや肉厚のチノは人気が高く、様々なセレクトショップが目玉商品として陳列しています。
VFコーポレーショングループ傘下に吸収される
そんなレッドキャップは、1986年に「Lee」や「Vans」、「ノースフェイス」、「マジェスティック」などのブランドを傘下に収めるアメリカ最大級のアパレルグループであるVFコーポレーションに買収され、傘下に加わります。
傘下に入った後もブランド維持へのこだわりから一貫して卸販売やライセンスアウトは行いませんでしたが、2013年に、同じVFコーポレーショングループの日本向け戦略子会社「マジェスティックジャパン」」を通じ、レッドキャップの日本向け展開がスタート。
以降、様々なお店でレッドキャップを目にすることが増えていきます。
ちなみに、この「マジェスティック」との関係が後でポイントになってきます。
レッドキャップのポケット付きパックTシャツの特徴
レッドキャップの白シャツの最大の特徴はなんといってもその分厚さです。
6.7オンスという市販パックTシャツの中でも最高レベルのヘビーウェイトは安心感抜群で、白シャツ一枚で着ても乳首は全く透けることがありません。
また、オンスが重いため洗濯にも強く、雑に着込んで洗っても首元がヨレヨレになりづらいという特徴があります。
そして、その着心地をさらに倍増させるのは、丸胴編みとタグレス加工です。
一般的なTシャツは「横割り」といって、胴体の前面の生地と背中の生地を体の横で縫い合わせますが、丸胴編みは一つの編み機で丸い形状のまま編み上げる「吊り編み機」を使って立体的に編み上げるため、体の横部分に縫い目が来ず、生地の継ぎ目がチクチクするなどのストレスが軽減されます。
そして、タグレス加工は、Tシャツの首元のサイズ表記やブランド名表記のところが印刷によって記載されており、ピラピラしたタグが付いていないということです。
私は肌が弱いためこのピラピラのタグが嫌いで、基本的にタグが付いている場合はどんなにレアなTシャツだったとしても切り取ってしまいます。
そういう余計なストレスが無いということも大きな魅力です。
これだけスペックを持ったポケットTシャツが、パックで3000円台、一枚1500円前後で購入できるというのは驚異的なコスパの商品でした。
レッドキャップのパックTシャツのサイズ感
レッドキャップのTシャツは、形状がリラックス度の高い「ボックスシルエット」となっており、来た時のフィット感はアメリカンを感じさせるゆったりしたものになっています。
その上、日本法人による日本展開品とはいえ、Tシャツについてはほぼアメリカで販売しているものと同じ形状となっているため、かなり大きめな作りになっています。
私は、172㎝62㎏と平均的な体系ですが、Mサイズだとかなりゆったりで見方によっては「ビッグシルエット」に見えます。
ジャケットなどに合わせるべくピッタリめできるならSサイズ、ビッグシルエットならMサイズというサイズ感でした。
レッドキャップ、パックTシャツから突然の撤退
私も、アメ横のセレクトショップで購入してからレッドキャップのTシャツにはまり込み、一時期はレッドキャップのパックTシャツばかり買いこんでいた時期がありました。
しかし、2018年ごろを機に、店頭や通販などどんな探し方をしても見つけることができなくなり、ついには買うことができなくなってしまいました。
どうやら経緯としては、先で説明したレッドキャップを展開する「マジェスティックジャパン」の方針に変更があったようで、元々、パックTシャツなどのアンダーウェア領域は旗艦ブランドである「マジェスティック」でも取り扱いがあり、有り体に言えば同ジャンルでカブっていました。
その状態を解消すべく、マジェスティックジャパンとしてはアンダーウェア領域はマジェスティック側に統合し、レッドキャップのパックTシャツの販売は終了ということになってしまったようです。
後継品「マジェスティック パックT」は着心地が全く違う
では、後継品であるマジェスティックのポケットパックTシャツの着心地はレッドキャップの品質を引き継いでいるのでしょうか?
結論としては、着心地は全く違います。
一応、6.7オンス、ポケット付き、3000円以下、丸胴編み、タグレスとその特徴の多くは引き継がれていますが、まずもって型が全く違います。
マジェスティックのTシャツは、首元がかなりタイトで詰まっている形状になっており、レッドキャップよりもキツく感じます。
首元が詰まっている分、頭を通す際などにどうしても生地にテンションがかかり、オンスの割に生地が伸びやすい印象です。
また、サイズ感もレッドキャップに比べて少し小さめです。
後継商品としてオススメするには全く異なる商品のため、同じグループだからといって同じ着心地を期待すると裏切られるかと思います。
もし、レッドキャップの着心地が気に入っていた方であれば、ヘインズのビーフィーTシャツや、意外なところではグンゼ「ワーキングプロ」の方が快適に着ていただけるんじゃないかと思います。
まとめ:レッドキャップのパックTシャツはもう買えない
レッドキャップのパックTシャツはもう買うことは出来ません。
正確にいえば、今一部のショップや店頭で出回っている分が終わったら、もう手に入れることは難しいでしょう。
見つけたら即買うことをオススメするとともに、別のメーカーの安くて透けない白Tシャツを探しましょう。
ちなみに、当サイトのオススメは、グンゼ「ワーキングプロ」です。