コロナウイルスの猛威もやや落ち着きを見せ始め、本格的に外出解禁、出社解禁の流れになってきています。
自粛期間中はオンラインミーティングが中心でしたので、上半身はエリ付きシャツなどでビシッと決めつつも、下半身はジャージや短パンなどという、半魚人スタイルの方も多かったでしょう。
しかし、これからはそうはいきません。
本格的な外出に向けて、下半身のビジネスウェアを整える必要があります。
そのために、マスクをしつつ町へ買い物に出かけるわけですが、最近「トラウザーズ」というズボンを以前より多く見かけるようになってきていることに気づきましたでしょうか?
「スラックス」は分かるけど「トラウザーズ」って何?
カッコつけて知らない外国語使ってるだけじゃないの?
とお思いの方も多いと思います。
今回は、トラウザーズとスラックスについて、その言葉の意味をしっかり解説しつつ、その違いについて世界で最も簡単な解釈をしていきたいと思います。
スラックスとは?
スラックスは、町のおじさんがスーパーで買うようなズボンをイメージをされる方もいるかと思いますが、実はいわゆる「長ズボン全般」を指す意味の広い言葉として使われています。
つまり、スラックスというズボンがあるわけではないんですね。
スラックスの語源はアメリカ英語の「スラック(slack)」からきており、「ゆるい、たるんだ」などの意味を持つ英単語です。
よって、やや幅広のゆったりしたズボンのことを広くスラックスと呼びます。
基本デザインとしては、比較的ムラの少ない上品な生地を使ったものが多く、中央にセンタープレスが入っているものがスラックスとして販売されているケースが多くなっています。
チノパンなどのパンツもスラックスと呼ばれることはありますが、デニムはスラックスのくくりには含めない場合が多いようです。
要するに、スーツについてくるズボンを単品で取り扱った場合に、店頭で「スラックス」と呼ばれるという程度の理解でほぼ間違い無いと思います。
トラウザーズとは?
トラウザーズも、スラックスと同様に長ズボンを示す英単語です。
言葉としての違いとしては、スラックスはアメリカ英語を語源にしていましが、トラウザーズはイギリス英語が語源となっています。
スラックスが語源(ゆるい)の通り、ややゆったりしたズボンを指し、ゴルフなどのスポーツ向けズボンも広義に含んでいる一方、トラウザーズは基本的にカッチリしたフォーマル向けなズボンのみを指すと言われています。
その理由としては、語源のイギリスが「英国紳士」と言われるように、スーツやジャケットスタイルを重視するお国柄であるからだと思われます。
ちなみに、ユニクロなどではあまり区別されていないようですが、一般的に複数形の「トラウザーズ」とした場合は長ズボンのことを、「トラウザー」とした場合は半ズボンを指すとされています。
また、トラウザーズは主にズボンの形状を指す場合が多いため、デニムも細身ですっきりしたものはトラウザーズと呼ばれる場合があります。
要するに、細身でフォーマルさを感じさせる形状のズボンなら何でもトラウザーズと呼んでよいわけです。
しかし、定義上スラックスとかぶる部分も多いため、トラウザーズとして販売されている商品は、何となくフォーマルだから「トラウザーズ」って言っておくかという程度でしかないと思います。
スラックスとトラウザーズの違い
スラックスとトラウザーの違いをまとめると以下のようになります。
スラックス | トラウザーズ | |
---|---|---|
語源 | アメリカ英語 | イギリス英語 |
意味 | 長ズボン | 長ズボン |
特徴 | 長ズボン全般 | フォーマルなもの |
言ってしまえば、大した意味の違いは無いということですね。
細身でカッチリして見えれば「トラウザーズ」、緩めでカジュアルな印象だったら「スラックス」という使い分けで理解すれば十分だと思います。