「輪怐 LIN-KU(リンク)」ブランド消滅の危機の『その後』について

以前、当サイトでもご紹介した日本のバッグメーカー「輪怐 LIN-KU(リンク)」。

しかし、このサイトで紹介した矢先、そのリンクの運営元である株式会社フカシロが、「輪怐 LIN-KU(リンク)」の全店舗閉店とブランド運営の終了を発表し、2020年2月でブランドから撤退してしまいました。

ブランド消滅の危機を迎えた「輪怐 LIN-KU(リンク)」がその後どうなったのか?

調査と各所から得た情報を基にした推察を交えて「その後」をレポートしてみたいと思います

輪怐 LIN-KU(リンク)消滅の危機の経緯

輪怐 LIN-KU(リンク)が迎えた一度目の危機

実は、輪怐 LIN-KU(リンク)がブランド消滅の危機を迎えたのは初めてではありません。

2016年にも、一度目の消滅の危機を迎えており、その際には本当に一度店舗も運営も終了し、最低限のメンテナンス対応しか行わない空白の時期がありました。

その原因は、販路拡大を目指した代理店方式による販売の失敗だと言われています。

一見シンプルでありながら、日本の職人によるこだわりがふんだんに詰まった輪怐 LIN-KU(リンク)の商品は、平均3~5万円と比較的高額です。

そんな高額商品を販売するためには、職人のこだわりやモノの良さを伝えるリコメンド力が必要ですが、百貨店の販売員などは専属ではないため、説明力や理解度が不足し販売不振に陥ってしまいました

そして、株式会社フカシロの本業の不調なども重なったことで一度目の危機となったのです。

代理店方式から直営店に切り替え一旦復活

その後、販売方針を改め、代理店方式から直営店方式に転換

とはいえ、いきなり店舗を構えることはできないので、当初は大阪ルクアイーレにある梅田蔦屋書店でのポップアップストアから開始したそうです。

そこではただカバンを展示するだけでなく、コーヒーを店頭で提供し、ゆっくり商品について語り合うスタイルの接客を行ったそうですが、それが高評価を得たことで手ごたえを感じ、ポップアップストアと直営店舗の両輪での再展開を開始しました。

その後、マルイとのテナント契約もありブランドの立て直しが本格的に開始します。

輪怐 LIN-KU(リンク)二度目の終了宣言

ブランド復活後は、カジュアルなショルダーバッグ「旭(あさひ)」や、コンパクトサイズのボストン「錫(しゃく)」など積極的な商品展開や、マルイを中心としたテナント店舗も拡大していきました。

しかし、精力的なブランド活動を再開して3年ちょっとが経った2019年年末、株式会社フカシロが経営上の理由により、突然、2020年2月での輪怐 LIN-KU(リンク)の終了を宣言します。

突然の終了宣言には、引受先などの明記はなく、「ブランドは続く」「商品メンテナンスは続ける」ということだけが書かれていたため、ファンの間では様々な憶測が広がりました。

輪怐 LIN-KU(リンク)終了の理由は推測するしかありませんが、ブランド規模の割にマルイMENをはじめとした都心一等地への出店が多かったことから、恐らく高額なテナント費用や経費による経営の圧迫であったのではないかと思料します。また、公に出来ない事情もあるとのことなので、社内での撤退圧力などもあった可能性があります。

株式会社フカシロは完全撤退。火中の栗を拾ったのは…

二度目の終了宣言を見て、もはや輪怐 LIN-KU(リンク)の再起は無いかと思っていましたが、そんな火中の栗を拾う男が現れました。

それは、以前から輪怐 LIN-KU(リンク)のブランドマネージャ、スポークスマンとして辣腕を振るっていた柳瀬吉伸氏でした。

現在の輪怐 LIN-KU(リンク)の経営体制

株式会社フカシロが白旗をあげ、消滅の危機を迎えた輪怐 LIN-KU(リンク)。

そこに立ち上がったのは、輪怐 LIN-KU(リンク)のブランドマネージャー柳瀬吉伸氏でした。

柳瀬氏は自身でもYoutubeに出演し、ブランドの魅力やメンテナンス方法を発信するなど、輪怐 LIN-KU(リンク)というブランドに誰よりも愛情を注いできた人物です。

その柳瀬氏が立ち上がり、自身で「合同会社シーズン8」を設立し、消滅寸前の輪怐 LIN-KU(リンク)事業を承継しました

今後の輪怐 LIN-KU(リンク)の方針

経営体制を一新し、株式会社フカシロの一ブランドから、独立系バッグブランドになった輪怐 LIN-KU(リンク)。

縮小された体制の中で、今後は常設店舗での営業はせず、かつて大きな手ごたえをつかんだ「ポップアップストア戦略」に転換するそうです。

全国の百貨店やファッションビルを中心に出店し、直接お客様との対話を重ねることで商品の魅力を届けるという、地道で草の根的なブランド展開で、長く愛されるブランドを目指していくとか。

かつてポップアップショップで成功を収めたコーヒー接客は今後も続けていくそうで、主要取引先には岡山でこだわりの自社焙煎コーヒー「トスティーノ珈琲」を製造する「株式会社暮らしと珈琲」が。

また、モノづくりの面でも、大阪市平野区で50年以上バッグづくりを行い、かつてより輪怐 LIN-KU(リンク)の製造も引き受ける「ワコーバッグ株式会社」との関係をフカシロから引き継いでおり、品質についてもおそらく以前と変わることはないでしょう。

もちろん、オンラインショップは全国の顧客との接点として活用していくとのこと。

まとめ

ブランドの岐路に立たされた輪怐 LIN-KU(リンク)は、輪怐 LIN-KU(リンク)を愛する者の力で辛うじてその消滅を免れました。

大きなリスクを取ってブランド継続のために一肌脱いだ柳瀬吉伸氏に敬意を表するとともに、今後の輪怐 LIN-KU(リンク)の展開に引き続き期待をしていきたいと思います。

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